白山周辺(石川) 高倉山(922m) 2024年4月29日(祝)  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:54 登山口(駐車箇所)−−3:59 谷で道を失い戻る−−4:00 登山口(駐車箇所)−−4:06 砂防ダム(標高340m付近)−−4:20 断念して戻る(標高430m付近)−−4:36 登山口(駐車箇所) 4:37−−4:45 尾根に乗る−−5:32 分岐(標高720m)−−5:39 林道(標高770m)−−6:01 高倉山−−6:16 林道−−6:19 分岐(標高720m)−−6:36 分岐(標高480m)−−6:44 上水道施設(標高330m)−−6:46 登山口−−6:53 登山口(駐車箇所)

場所石川県白山市
年月日2024年4月29日(祝) 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口付近の路側に駐車余地あり
登山道の有無あり。ただし往路の尾根取付は広い谷に出てからが分かりにくく初見では迷うこと必至。過去の記録のトラックログが役立つだろう
籔の有無登山道は少し藪のはみ出しがあるが藪漕ぎと言うほどではない
危険個所の有無往路の尾根は傾斜が猛烈であり特に下りは要注意。帰路の尾根は比較的傾斜は緩く歩きやすかった
山頂の展望無し
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント松尾山の帰りに登山口の標識を発見したので地形図を用意していなかったが登ってみた。しかし大失敗で早々に登山道を見失って崖と呼ぶに近い猛烈な傾斜地をよじ登る羽目に。地形図が無いため現在地もこの先の地形も不明なため、一旦断念して登山口に戻り、松尾山の地形図の端に高倉山北側の地形が出ていたため、この地図を利用。砂防ダム下流の道が消えた広い谷でどうにか登山道を発見できた。以降は登山道としては猛烈な傾斜の連続であった。山頂部は南北に長く三角点のある場所は東に少しだけ展望あり。帰りは往路の尾根より西を下る尾根を利用。こちらの方がずっと歩きやすかったが、尾根下部の植林帯は道が薄いので目印が頼り


笠山から見た高倉山


車道脇に駐車 瀬波川の対岸はハチブセ山とのこと
登山口の標識 最初は登山道らしいがすぐに涸れた沢に変わる
ピンクリボンがあるが境界標石を示すものが混じっている 砂防ダム横を通過。既に道を見失っている
標高350m付近。かなりの傾斜 標高370m付近。獣道が登場
標高400m付近。一時的に植林で安全地帯 標高410m付近。この上の植林帯で撤退を決定
これで3度目の登山口 沢が広がったらすぐに左手の尾根に取り付くのが正解
尾根入口の電柱 標高330m付近。急登の始まり
標高350m付近 標高410m付近。開けた斜面はニリンソウの群落
ニリンソウ 標高450m付近
標高520m付近。一般登山道らしからぬ急登の連続 標高530m付近。トラロープがあちこちで登場
ミヤマキケマン ツボスミレ
標高590m付近から見た口三方岳、烏帽子山 標高600m付近
ユキザサ オオタチツボスミレ
標高650m付近 チゴユリ
マイヅルソウ。まだ花芽も出ていない 標高660m付近
標高720m付近で分岐が登場。北西に延びる尾根の標識 瀬浪・神社方面の道。帰りはこちらを下った
登ってきた道を指した標識 標高770mで林道登場
林道の標識。この先では最大勾配は45°もないと思う イワウチワ
ミヤマシキミ。おそらく雄株 標高860m付近
標高900m付近 高倉山山頂部
高倉山山頂。樹林で展望無し 三角点
山頂周辺のルート図 高倉山北方の910m肩(展望台)
展望台から見た東側の展望
展望台から見た白山 萎れたショウジョウバカマ
帰りは標高720m付近の分岐を左へ下った カタクリ
標高650m付近 キジムシロ
標高610m付近 標高580m付近
標高520m付近 おそらくガマズミの仲間
ツツジだが種類は不明 標高480m付近で分岐登場
尾根直進方向の標識 右の斜面を下る標識。こちらに進む
瀬波・神社方面入口 標高450m付近
標高430m付近 標高340m付近
標高330m付近で上水道施設登場。水を得られる 瀬波・神社方面登山口で車道に出る
車道を東へ モノレール
途中で見かけた案内標識。駐車した箇所は炭焼き小屋。高倉山の下りで使った登山道は描かれていない
車道脇のウマノアシガタ。たくさん咲いていた 駐車箇所に到着。私以外の車はハチブセ山への登山者


 高倉山は予定外の山だ。連休中に登る予定の計画には入れていなかったので地形図を持っていないが、松尾山下山後に買出しに下界へ向かう途中で登山口の案内標識を発見。登山道があるなら地図が無くても簡単に登れそうであり、山頂までの標高差は約600mと疲労が溜まった連休3日目の山としては手頃と言えよう。もし時間が余ったら近場の小さな山を登ればいい。

 登山口は瀬波集落の東端。登山道があるし暗い時間に登り初めて涼しいうちに高度を稼ごうと午前4時前に出発。登山道の出だしは少し道は薄く細いが標識があるくらいだから大丈夫だろう。周囲はニリンソウの群落が見事だった。

 しかし少し登ると荒れた沢に変身。登山道が沢になるのは良くあるパターンだが、ここは初めて登るルートでしかも尾根上ではないため、このまま沢を登るのが正しいルートなのか判断できない。そのまま進むとコンクリート製の溝が登場。どうやら人工の溝が無い自然地形の沢区間が近年のゲリラ豪雨等の増水で荒れてしまったようだ。木の杭にはピンクリボンが登場して一安心だ。

 しかし傾斜が緩んで広い谷に出るとルートは完全に分からなくなってしまった。上流側には大きな砂防ダムが見えていて急傾斜の谷が続いている。道は無いがその谷の右岸側にピンクリボンが見えたので登ってみると頭が赤い境界標石でそれが2回続いた。ここまでも道は無かったが境界標石よりも上部にも明らかに道が無い。ルートを外したのは間違いのでここで一度登山口まで戻ってルートを再確認することにした。

 今度は左手の斜面に登山道らしき筋が無いか注意深く確認しながら進んだが、砂防ダム下流の広い谷までにそのような筋は無かった。こうなったらこのまま谷を登ればどこかで登山道のある尾根に出るだろうと砂防ダム左側の斜面に取り付いた。しかしこの斜面は藪はないものの半端ない急傾斜で、長靴では踏ん張りが利きにくく潅木を掴んでよじ登る。一時的に獣道が現れたり杉の植林帯になって傾斜が緩んだりしたが、その先はまた猛烈な傾斜でかろうじて登れるくらいで下りたくない地形の連続だった。まだ真っ暗な時間帯であり先が見えないのが不安だ。

 今回は地形図は無いが車載PCの地図で山頂の緯度経度を調べてGPSに入力済みであり、時々山頂までの残距離を確認したが1.3kmから全く接近していない! GPSには山頂は南と出ているが今の進行方向は真東である。地形図が無いのでこの先の尾根の続き具合も何も分からず、全く別の山へ登っているのではないか?との疑念が生じた。このときふと思い出した。昨日登った松尾山の地形図の端っこの方に高倉山登山道の前半部分が印刷されていたのだった! これを見れば正しい登山道の位置が分かるはずで、多少道を外してもどの尾根にあるのかさえ地形図で分かれば適当に登ることもできる。これなら山頂に到着できる確率がぐっと上がるはずだ。

 ということで高度差150mくらい登った地点で三度登山口まで戻ることにした。しかしあの傾斜を下るのは登るよりもさらに難しく危険だ。しかもまだ暗い時刻でLEDライトでは先の様子が見えない。ここは私が今でも使っている地図無しGPSの出番だ。このGPSは地図表示機能は無いが歩いた軌跡をまっさらな画面上に表示することは可能であり、往路の破線を追いかけることで少なくとも本当の崖に出ることは回避できる。GPSなので多少の誤差は仕方ないが。

 下りは本当に危険だった。傾斜が急すぎる影響か藪はかなり薄いため、雪があるわけではないのにここで滑ったら絶対に止まらないだろうと思える箇所の連続。特に微小な谷が厄介でこれをトラバースするのが一番危なかった。バックでないと下れないような場面も登場する。登りでも感じたがここを暗闇の中で下るのは自殺行為に等しいだろう。

 砂防ダムが見えたときは心底ほっとした。この頃には僅かに明るくなり始めていた。三度目の登山口まで下って車の中から昨日の地図を探して登山道がどこにあるかを確認すると、最初は砂防ダムのある谷に入るがすぐに右岸側の尾根に取り付くのが正解だった。そちら方面に道は見えなかったが、おそらくダムの造成で破壊されて更地になってしまったのだろう。そこを適当に登って尾根に取り付けばいいようだ。あの猛烈な急斜面を登った後なので、もう藪でも何でもござれだ。

 薄明るくなった中を出発。念のために砂防ダムの谷に出る間に左の斜面に上がる道のようなものがないか再び確認しながら歩いたが発見できず。広い谷に出て砂防ダムには向かわずに左手の斜面を適当に登るとピンクリボン発見。ただしまた境界標識の目印の可能性がある。しかし今回は目印が付いた枝の根元には標石は無く、登山道を示す目印らしい。斜面の上の方にも同じ目印が見えたので間違いない。

 急斜面を登って尾根に乗るとやっと道らしくなって一安心。あとはこのまま尾根を辿ればいい。しかしこの尾根も猛烈な傾斜の連続で、通常の登山道はこんな尾根には付けないと思う。おそらく北アルプスの赤岩尾根よりも急だろう。しかしこんな尾根でも花はたくさん咲いていて、なぜかこんな高さの斜面で一面のニリンソウの群落もあった。その斜面は何故か立ち木が無かったが、もしかしたら少し湿った場所だったのかもしれない。このルートでは他にカタクリ、オオタチツボスミレ、ツボスミレ、ミヤマキケマン、チゴユリ、ユキザサ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、ミヤマシキミ、キジムシロなども見られた。

 傾斜が急すぎてトラロープのフィックスロープがあちこちに登場する。ロープの色からして数年以内に設置されたものもあり、最近でも整備の手が入っているようだ。ということは利用者はそれなりにいるのだろう。

 標高450m付近で杉植林帯に入って傾斜が少し緩むが、植林帯が終わる標高530m付近からは再び急登の連続で度々トラロープが登場する。ここは雪が乗ったらピッケルが欲しい場所だ。

 標高650m付近で傾斜が緩むと植林帯に突入し、標高720m付近では分岐が登場。「瀬波・神社」「市原」と出ていて、私が使った登山口より西側にある登山口だ。地形図を見るとこちらの尾根の方がずっと傾斜が緩いので、帰りはこちらを下ってみるか。私が登ってきた方向の標識は「瀬波・炭焼小屋」となっていた。

 標高770mでコンクリート舗装の林道が登場して山頂まで30分の案内看板も登場。林道が使えるならば麓から登る登山道は廃れて廃道化の道を辿ると思うが、そうなっていないと言うことは林道には車止めがあって一般車は入れないのだろう。どうもこのエリアではほとんどの林道に車止めがあるようだ。

 この先は明るいブナ林が続いて適度な傾斜に変わって歩きやすくなる。しかし今回はルートミスで無駄な登りをやってしまい、しかも今日は重い長靴を履いているので足が非常に重い。時間が余ったら次の山をなんて考えていたがちょっと無理かな。まあ、ルートミスで使った体力と時間を考えれば軽い1山を登ったようなものだからなぁ。

 高倉山山頂部は平坦地に変わって尾根幅も広まり、樹林の影響もあってどこが山頂なのか分からないほど。このエリアは既に手持ちの地形図の範囲外であり、山頂付近の地形は分からない。ただし今は登山道に乗っているので道を外さない限りは問題ない。

 山頂の北側で登山道が稜線の東端に移ると「展望台」の標識が掲げられた東側の展望が開けるが、ちょうど日の出の時間帯で逆光で見難いのが残念。昨日登った松尾山も見えている。その左のなだらかなピークがオンソリ山だろう。右端には白山も見えていた。一部ブナが邪魔をしているが東〜南の展望が開けていた。

 展望台から広い稜線の中央部に戻ってジグザグって最後の登りにかかる、と言っても高度差はもうほとんど無いが。再び平坦になって東側が少し開けた場所に三角点があり高倉山山頂だった。今回はここに立てないかと思ったが、無駄な体力と時間を使いながらも到着できて素直にうれしい。ここには山頂近辺のルート案内地図があり、南には林道に合流する道が延びているようだ。

 今日は短時間で登れるだろうと水も食料も持っていないので、山頂では写真撮影だけして下山を開始した。

 帰りは標高720m付近の登山道分岐から左の「瀬波・神社」方面ルートへ入ってみた。案の定、こちらは傾斜が適度で歩きやすかった。道の濃さは往路と同じくらいであったので、往路の尾根とこちらの尾根を使う人数は同程度らしい。私のように両者を繋いで周回コースで歩く人が多いのかもしれない。傾斜が緩い分、こちらの尾根の方が植林帯がより多いように感じた。

 標高480m付近でさらに登山道が分岐。尾根を直進するのは「市原」で右に曲がるのが「瀬波」で、当然ながら車により近い瀬波へと下る。このルートは尾根上ではなく斜面を下るため藪が薄い植林帯では逆に道が分かりにくく、ピンクリボンが大いに役立った。

 急な斜面をぐんぐん下っていくと突如として何やらコンクリート製の施設が登場。どうやら上水道施設らしくコンクリートの箱型の物体側面に開いた長方形の穴から大量の水が流れ出していた。おそらくオーバーフローして不要な水を排出しているのだろう。瀬波集落で使用する水は殺菌等の処理を行って管で配水しているのだろう。処理前の水でも山の天然の湧き水であり問題なく飲用できた。冷たくておいしかった。今回は珍しく喉が渇いたからなぁ。

 ここからすぐ下がキャンプ場へ続く舗装道路で、下ってきた道には高倉山登山口の案内標識が出ていた。

 ここから駐車地点までは約500mほど。まだ日が高くない時間帯で谷間の道路はまだ日が当たっていないが、こちらはずっと体を動かし続けていたために半袖半ズボンでちょうどいいくらい。駐車箇所に到着すると車が2台増えていてまさに出発準備中。まさか高倉山か?と思ったらそうではなく、反対側に入って橋を渡ってハチブセ山(851m峰)〜オンソリ山(888.6m三角点峰)周回コースを歩くようだ。そういえば昨日、松尾山から下山後に林道路側に駐車してPCで記録を打ち込んでいたが、林道を歩くハイカーの姿が複数見られ、いったいどこを歩いてきたのか不思議に思ったが、どうやらここから登ってハチブセ山、オンソリ山と縦走してエイ谷登山口に下って林道を歩いて車まで戻る途中だったようだ。あの人数だと高倉山や松尾山と違って意外と人気のコースらしかった。


 今回は地形図無しで登ったのが原因でルートミスをしてしまった。道が薄い(消えている)区間があったのも原因だが、やはり地形図が無いと現在位置も正しいルートがどこにあるのかも全く分からず、地図の重要性を改めて痛感させられた。

 

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